先日、巷で人気のあるお菓子を購入したときの事です。
ごく最近、近所に出店してきて、いつも並んでいて美味しそうだから、という理由にならない理由で購入しましたが、そこには売上アップやお客さんの集め方がしっかりと組み込まれていました。
とても参考になりますので、今回はその具体的な方法をお伝えしますね。
目次
行列の出来る店その1
視覚で訴えるライブ感
デパートの地下に入っているお惣菜やケーキ売り場、最近はスーパーでも見かけますが、ガラス越しに製造現場が見られるようになっているところを、あなたも見たことがあるのではないでしょうか?
餃子を包んでいるところや、ケーキのデコレーションをしているところなど、買い物の合間についつい見入ってしまいますよね?
飲食店でもオープンキッチンにしているお店、そばやうどん店などでは手打ちを見せているところも見かけますが、視覚で訴えるというのはとても大切なことです。
視覚ではありませんが、有名な例として「パブロフの犬の実験」があります。
いわゆる条件反射のことですが、簡単に内容を説明しますね。
1、犬にベルを聞かせる
2、犬にえさを与える。犬はえさを食べながらつばを出す
3、1~2を繰り返す
4、すると犬はベルの音を聞いただけで唾液を出すようになる
つまり無意識のうちにベルの音を聞いただけでつばを出すようになるのです。
有名な実験なのであなたも聞いた事があるかもしれませんね。
これは犬の実験、しかも聴覚ですが、人に当てはめるのであれば「梅干」をみると口の中に唾液がでてきますよね。人によっては「梅干」の文字を見ただけで同じ現象を感じているかもしれませんね。
これは「梅干」が酸っぱいということを脳が思い出して身体が反射するのです。
これと同じように、私達はテレビなどの経験から、料理を作っている過程を見るだけで「美味しそう」と脳が反応するのです。
これは食べ物に限ったことではありません。裁縫やカバンなど職人が製造する場合も当てはまります。
製造現場を視覚に訴えることで商品の魅力が割増になるのです。
だとすれば、これをあなたのビジネスに当てはめない手はありませんよね。
ライブ感はとても大切ですが、難しい場合は映像を流すでも構いません。映像でしたらペットトリマーやネイルサロンなどでも活用できますよね。
但し、残念ながら痛みを連想させる歯医者さんには向きません。歯を削っているシーンの映像はあまり見たくはありませんよね。
私が購入したお菓子は焼いたものが出来上がり、荒熱を取る作業として並んでいるお客さんに見せるようにしていました。展示の仕方のひとつですが、これがとても美味しそうに見えるのです。また奥の作業台ではこれから焼く生地を1つ1つ典範に並べています。
こうやって文字にすると大した事のないごくふつうの作業ですよね、特に職人の腕を披露するような工程でもありません。
ですがこうやって作業を見せることによって視覚からの刺激となり、購入意欲を掻き立てているのです。
行列の出来る店その2
まとめて売る
私が購入したお菓子は、もちろん1個単位で購入ができましたが、人気のお菓子のため1人12個までと限定されていました。しかし多くのお客さんは6個もしくは12個で購入していきます。
なぜでしょうか?
ここに売上アップのカラクリがあります。
お菓子は1個単位で購入できるものの、持ち帰るお菓子の箱が6個入るようになっています。さらに6個購入すると50円安く買うことができるのです。
いつも並んでいる
↓
何分も並んでやっと購入できる
↓
多くの人が6個、もしくは12個で購入している
↓
持ち帰る箱は6個入る
↓
6個買うと50円安くなる
こんな心理的要素が相まって、本来5個必要だったとしても6個の購入につながるのです。実は5個の代金の方が安いにもかかわらず、です。
身近にある例としては、靴下です。
よく3足1,000円で売られているのをみかけますが、あれはまとめ買いの代表例ですね。
1足で十分な時でも、つい3足1,000円の商品を選んで買ってしまいますよね。
あなたのビジネスでも同じようにまとめて売ることはできないでしょうか?
普段、まとめて買わないようなものでも以外と需要があったりします。例えばスーツなどの洋服、エアコンなどの家電製品も数年前まで、まとめて買うという考えはありませんでしたが、今では多くのお店で2着目、3着目や2台目、3代目の購入で割引が行われています。
今まであなたの業種や業界でそういったまとめての販売がないようであれば、効果がさらに実感できるということですね。
行列の出来る店その3
人気の商品である、という演出
実は私が購入したお菓子、近所に出店するまでは全く知りませんでした。
しかし、流行のお菓子が好きな人にとっては、知っていて当然、さらに同じ商品を販売している別の店舗では1時間近くも並んで購入するという、超人気といっても過言ではないお菓子です。
でもそれは一部の人にであって、残念ながら大多数の人ではないのです。
実際に並んでいた多くの人は、このお菓子を初めて食べるという方ばかりでしたし、行列をみて気になって尋ねてきた人たちもお菓子のことを知りませんでした。
ですが、いつも並んでいる、行列になっているということで人は「何だろう」と興味を持ちそれがお菓子と知るや「美味しいに違いない」という心理状態になるのです。
先ほどから私が何度も書いているように、このお店は常に並んでいます。いつ見ても行列です。
行列ができることで「人気の商品である」という位置づけを取っているのです。
実際にどんなに並んでいてもレジが増えることはなく、レジでの対応は1人だけです。これでは行列が出来るのは当たり前ですよね。
もちろん、お店側も1つ1つを丁寧に作っているから、丁寧にキチンとお客さんに販売したい、という思いで対応しているのです。確かに並んでいる時も、通りすがりの人が尋ねたときも、スタッフの対応はいつもにこやかでとても気持ちのよい接客ですから「待つ」ということにクレームは出ていませんでした。
とはいえ、行列を無理矢理装ったり、サクラなどを雇ったりしてしまうのは、あなたのビジネスの信用にもかかわりますので、そこは注意してくださいね。
行列のできる店にみられる売上アップの方法:まとめ
行列のできるお店から見る「売上アップのコツ」と「お客さんの集め方」はお分かりいただけましたでしょうか?
・ライブ感
・まとめ買い
・人気の商品という演出
あなたのビジネスではどれが取り入れられるでしょうか?
「ウチは業界が違うから」などと思わずに、様々な角度から考えて取り入れてみてくださいね。
あなたのお店が行列のできるお店となる日も近いかもしれません。