お客様目線で見方をガラリと変えて売上を伸ばした例

お客様目線とよく言われますが、どうしてもビジネスに集中していると、どこかに置いてきてしまう人を多く見かけます。私も時々ありますので偉そうなことは言えませんが、ちょっと視点を変えるだけで、売上に影響してきますよ。

今回は見方を変えて、売上に貢献した例についてお伝えしますね。

お客様目線はどこにある・・・?

以前、ある甘味処に行った時のことです。そのオーナーは3代目で、実はここ数年、売上に伸び悩んでいると相談されました。常連さんはいるのですが、年配~高齢の方が多いのでこの先が心配でもあるそうです。

3代続く甘味処というと歴史と趣があって…などと思うかもしれませんが、古民家のようなお洒落感は全くなく、ハッキリ言うと古い家。味は美味しいのですが、場所は地方都市の住宅街です。そもそも需要があるのかどうか。

これがテレビ番組の企画などですとお店をリニューアルしてメニューを一新させて、オープンの日は満席。オーナーの喜ぶ顔を映して終了。となるのでしょうが、現実はそうではいきません。

お店をリニューアルする資金はなく、メニューを一新することも難しい、それが現状でした。

さて、こんな状況。あなたならどうしますか?

何回かお邪魔したことがある私は、1点気になっていたことがありました。それは恐らく初めて来たと思われるお客さんがメニューを見て「コーヒーはありませんか?」と尋ねている事です。オーナーは毎回「うちは置いていません」と答えていました。

「甘味にコーヒーは合わない」というのが正しいのか否かは別として、(個人的には大賛成です)お客さんからよく聞かれるのであれば、取り扱うのがビジネスです。

コーヒーを売りにしている喫茶店ではないのですから、自分たちで豆を挽いて1杯ずつ入れる、なんてことをしなくて、マシンを導入するだけでいいのです。

お店のこだわりとしてコーヒーを出さないことも大切だけれど、お客さんの声に素直に耳を傾け、無理のない範囲で用意することも大切と伝えました。

実際にこの甘味処がやったのは、マシンを導入しコーヒーの入れ方を覚え、店頭に「珈琲始めました」の張り紙をし、メニューに記載しただけです。

たったこれだけですが、新規のお客さんが少しずつ、また来店してくれるようになりました。常連さん以外はなかなかリピーターが増えず不安だった日々から卒業し、売上を上げていったのです。

日々に追われているとお客様の目線というのをついつい忘れがちですが、ちょっとした事でビジネスは左右されます。このオーナーも最初は甘味処にコーヒーは…と渋っていたのですが、今では考えを改め、お客さんが欲しいものを用意しようと考えるようになりました。

使い方を少し変える

上記とは反対にお客さんのアイディアから、使用方法が広がり、売上増になった例もあります。

それはたこ焼き器です。

大阪の家庭には必ず一家に一台あるらしい(本当ですか?)ので、よく使っているのでしょうが、たこ焼き器を持っている多くの家庭では、購入当初は使ったものの、今は押入れの奥などに収納されていてどこにあるのやら・・・ではないでしょうか?

最初は面白くても次第に飽きてしまう、というところでしょうね。

ところが最近、たこ焼き器の売れ行きが好調です。

実はたこ焼き器を普通に使用するのではなく、ちょっと変わった使い方をしているのです。

なんとたこ焼き器を使ってアメリカンドックを作ったり、しゅうまいを作ったり、もっと変わったところではアヒージョ(オリーブオイルとニンニクで煮込むスペイン料理)を作ったりしているのです。

料理レシピ投稿サイトで投稿されたことで話題となり、SNSなどを通じてたこ焼き器で作る料理が一気に広まりました。家族だけでなく、ホームパーティーや女子会など人が集まる際にも主催者の手をさほど掛けずに出来る点も人気のようです。

つまり、たこ焼き器をたこ焼きを作る為だけの機械とせず、独特の丸い形をした調理器と捉えた事で、用途が広がったのです。

販売店でも今までは普通に商品を置いていただけだったのを、食事やデザートまでさまざまな料理が作れることを写真付で提示した結果、売上が伸びたそうです。

お客様目線のまとめ

ビジネスをしているとどうしても売り手の目線だけになりがちですが、お客様目線を捉えると意外な発見があります。

そこにはビジネス拡大のチャンスがたくさん隠れています。

 

お客さんはどんなことを望んでいるのか、ぜひ考えてみてくださいね。

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