あなたは、あなたの商品・サービスを一番購入してくれるお客さんのことをしっかりと理解していますか?
あなたの思い込みだけで勘違いをしていませんか?
マーケティング戦略で大切なこと
マーケティングにおいてこんな有名例があります。
今から約30年ぐらい前に、コカコーラ社が従来のコーラよりずっと美味しいコーラを発売しました。当時、業界2位ながら、若者から絶大な人気を得ていたペプシに対し、トップの座をより強固なものとするための大きな戦略でした。
コカコーラ社では市場調査を行い、徹底したテストマーケティングをしました。
その結果、従来のコーラよりもペプシよりも美味しいコーラを生み出し、意気揚々と発売開始しました。
それが「New Coke」です。
担当者のみならず、全社員が絶対の自信を持って、送り出したこのNew Coke。
残念ながら、このNew Cokeは売れませんでした。爆発的なヒットを生まなかった、というわけではありません。全く売れなかったのです。
それどころかお客さんのクレームは日に日に増すばかり。
返却のクレームはあとを絶たず、不買運動まで広まるようになりました。
その結果、発売から3ヶ月も経たずに、従来のコーラの販売に戻すことになってしまいました。
テストマーケティングで美味しいと言われたNew Cokeなのになぜクレームの続出となってしまったのでしょうか?
それは味を変えたNew Cokeはコーラではなくなってしまったからです。
コーラを愛飲する人にとってコーラは何があってもコーラの味であることが大切で、味が変わってしまったものは、もうコーラではないのです。
ここにお客さんとの溝ができてしまい、不評になってしまったのです。
このNew Cokeの例は最大のマーケティングの失敗例として、語り継がれていますが、このことからも、商品・サービスを販売するときにはマーケティング戦略が必要なのか、がわかりますね。
本当のお客さんを観察しましょう
あなたのお客さんはどんなお客さんなのでしょうか?
何を好み、何を嫌い、どんなことにお金を使う人なのでしょうか?
それに対してあなたが来て欲しい、と思っているお客さんはどんな人でしょうか?
来て欲しいと思うお客さん像と実際のお客さんは合っていますか?
ここに大きな違いがあって、あなたの思い込みが大きいと、あなたとお客さんとの間にギャップが生まれてしまうことがあります。
こんな例があります。
あるカフェは若い女性をターゲットにしていました。内装も若い女性が好むような形にして運営していました。
価格もそれほど高くはなかったので、常連としてくれるお客さんも結構いました。
ある時、お客さんの支払いに1万円札が多いことに気づいたオーナーは「どうやら最近の若い人はお金を持っているようだ。コーヒーの原価もあがっていることだし、価格の値上げをしてみよう」
そう考え、かなり価格を引き上げました。それも事前告知などを一切せずに、ある日突然です。
何も知らないお客さんは一度は来店しますが、だんだんと足が遠のいていきます。当然ですよね。
実はこのカフェ。それまでのお客さんの平均単価が約600円だったのに、大幅な値上げによりなんと1,000円をこえる金額になってしまったのです。
お客さんの支払いに1万円札が多いからといって、カフェで支払う金額が高いとは限りません。若い女性がターゲットで、なんの断りもない値上げは、お客さんは離れるばかりですよね。
もちろん若くても1,000円を越える金額を支払う女性はいます。
しかし、今まで常連としてきてくれたお客さんは、以前の価格を好んで来てくれたお客さんですよね。
そのお客さんに何も伝えずに値上げしてしまっては、離れてしまうのは当然ですよね。
しかし思い込みが発生しているために、来て欲しいお客さんと来ているお客さんの像をしっかりと捉えていないのです。
マーケティング戦略は常に必要
2つの例でもわかるように、商品・サービスを販売する上で、マーケティングは欠かせません。
今、特に問題がなくても、どんなお客さんが欲しいと思っているのか、どんなお客さんが購入しているのか、あなたはしっかりとそれらのお客さんに対してメッセージを送っているのか、を確認することが大切です。
逆にいうと、マーケティング戦略をしっかりしている場合は、ビジネスが面白いように進んでいきます。
あなたもぜひマーケティングをしてみてくださいね。