USJから見るマーケティング

あなたはUSJ(ユニバーサルスタジオジャパン)に
行った事がありますか?

残念ながら私はまだ行った事がありません。

しかし一時は上場廃止とまでなった企業が、奇跡のV字回復をして
今や大人気のテーマパークであることは周知の事実ですよね。

超人気のアトラクションでは待ち時間がなんと
7時間以上という記録を打ち出したぐらい。

人気は高まるばかりです。

今日はこのUSJからマーケティングについて
考えてみたいと思います。

こんな話をすると
「USJと私のビジネスでは規模が違いすぎる」
「同じことが出来るわけないのだから、聞いても意味がない」
そう、思われる方がいます。

確かに規模は違うかもしれませんが、
参考になることはたくさんありますので、読んでみてくださいね。

お客さんが求める価値の高いもの

USJは当初、映画専門のテーマパークとして開園しました。

ハリウッドの素晴しい技術がテーマパークになった!として、
行列を作ったのは最初だけで、その後の入場者数は芳しくありません。

実はUSJの足かせとなっていたのは、皮肉にも
当初のウリであったはずの「映画専門」でした。

どんなお客さんに来て欲しいのか?
お客さんは何を求めているのか?
どうしたら何度も利用してくれるのか?

それらを再考した結果、USJは大きく方向転換します。

あらゆる世代に「映画だけでなく世界最高のエンターテイメント」を

現代における娯楽は映画だけではない、と判断したUSJは
子供から大人に大人気のアニメ「ワンピース」のショーを開催したり
やはりゲームでは知らない人がいない「モンスターハンター」を
出現させたりしたのです。

ワンピースやモンスターハンターのファンでしたら
駆けつけたくなるような企画をハリウッドの技術が表現するのです。

ここにお客さんが行きたくなる仕組みを作るようになったのです。

さらにそれまで大人のカップル向けだった客層を
ファミリー層にも広げました。

子供の好きなキャラクターを集めたエリアを作り、
小学校入学前の低年齢の子供が楽しめるように展開。

これにより、新たな客層の拡大だけでなく
子供の成長に応じて楽しめる企画が増えるため、
リピータ増に、つながっていったのです。

品質が良いから評判がよい、わけではない

一方でこんな失敗もしています。

あるアトラクションのひとつに海賊船が登場するのですが
ストーリー上、華やかな海賊船であるはずもなく、
年季の入った、それでいて威圧感のある雰囲気が求められます。

そこで多くの職人の技術と時間をかけ
年代を感じさせるような作りに仕上げました。

それを見たお客さんの感想がこれでした
「海賊船があまりにボロボロで古くて汚い」

職人の質が高すぎるがゆえに、せっかく作り上げた
経年劣化の加工は、お客さんには全く伝わらなかったのです。

この現象は私達のビジネスの世界でも、よくあります。

あなたが一番力を入れていて、熱く語りたいあの商品の素晴しさは
お客さんにとって必要ないことかもしれません。
USJでは、若者ー大人向けに本格アトラクションも
次々に設置していきました。

今でこそ話題の後ろ向きジェットコースターですが
開発当初はこんな意見があったそうです。

「今まで存在していなかった、ということは
そこにやらなかった理由があるはずだ」

やらない理由

あなたもビジネスのおいて「やらない理由」を
探しているときはありませんか?

忙しいから、時間がないから、トラブルがあったから

やらなかったことを正当化するために、
無理矢理にでもそこに理由を見つけるのが人なのです。

USJではやらなかった理由を探すことよりも、

どうやって実現するかを検討した結果、長蛇の列が代名詞ともいえる
超人気アトラクションが誕生したのです。

上場していたUSJですら、失敗を重ねながら
多くの経験を積み、奇跡の回復をしました。

 

どんなお客さんに来て欲しいのか
お客さんは何を求めているのか
どうしたら何度も利用してくれるのか

 

規模は違えどお客さんの立場に立って考えることで、
見えてくる答えがあるのですね。

 

あなたも、もう一度考えてみませんか?

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