「今、買わないとソンですよ」
「今がお買い得ですよ」
少し前なら、商店街の八百屋で、
最近ならテレビの通販番組で使われるような
そんなセリフです。
あなたも一度ならずとも聞いたことがありますよね?
私もそうですが、人は誰でも
「出来れば損をしたくない」と思っています。
でも「損をしたくない」という気持ちが
強くなればなるほど、かえって大きな損を招いてしまう
ということはご存知でしょうか?
つまり、あなたのビジネスにおいては
この「損をしたくない」という気持ちを
上手に扱うことがとても有効なのです。
損をしたくない、という気持ち
損をしたくない、という気持ちは多かれ少なかれ
誰にでもあるものです。
例えば
あなたはマグカップをもらったとしますね。
特別に欲しかったわけではないのですが、
まあシンプルで使い心地は良さそうでした。
ところが、数日後、商品に不具合があったので
返却することになりました。
するとそれほど愛着があったわけではないのに、
なぜか、胸のあたりがモヤモヤしませんか。
これは一度手に入れたものを手放すことに
「損」を感じることによって生まれる感情なのです。
この損を避けたい、というヒトの心理を表す例として
こんな質問がよく使われます。
<質問1>
A:1万円が無条件でもらえます
B:50%の確立で2万円がもらえます。
あなたはどちらを選びますか?
この質問をすると、多くの人はAを選びます。
1円ももらいないリスクよりも、確実にもらえる方を
選択するということですね。
次の質問です。
<質問2>
A:1万円を払わなければいけない
B:50%の確立で2万円払わなければいけないが、50%の確立で0円になる
あなたはどちらを選びますか?
このような条件の質問ではBを選択する人が多くなります。
これは、支払いという損失をできるだけ
避けたいという感情が優先されるからです。
2万円を払うリスクが伴っても、支払いがないほうがいい、
と思うわけですね。
損をしたくない感情を上手に使おう
インターネットで買い物をしていると、
この「損」という気持ちを上手に利用して
いることがよくわかります。
例えば「○○○円以上のお買い物で送料無料」です。
この言葉はよく見かけますよね。
最近、買い物中にふと、ショッピングカートを
見ると「あと○○円で送料無料になります」
という表記がありました。
既にクリックしてカートに入った金額を合計して
あといくら買えば送料が無料になるか、をお知らせしているのです。
そんな表記をみると「じゃあ、もうちょっと何か買おうかな」
という気持ちになっちゃいますよね。
これも送料が無料となるチャンスを逃したくない、
という気持ちから生まれているのです。
こうやってお客さんの購入金額を増やしているのです。
ちなみに心理学的には
「得した喜び」よりも「損した苦しみ」は
2倍以上も強く感じるそうです。
ということは、
もしあなたがスポーツジムを運営していたら、
A:憧れのスリムボディを手に入れて素敵なカレを作りましょう
B:そのぽっちゃり体型では一生カレは出来ないかもしれません
でしたら、損をすると感じるだろうBの方が
反響が大きくなる、ということですね。
とはいえ、損ばかりを強調することはよくありませんので注意してくださいね。
あなたのビジネスにおいて、
お客さんはどんな得が欲しいですか?
同じように、どんな損をしたくない、気持ちがありますか?