売らないマーケティングで商品が売れる?魔法の方法

先日、自社の商品が大好きで、大好きで、こよなく愛しているんだろうなぁ、と思うような社長さんにお会いしました。

初対面だったのですが挨拶もそこそこ、自分の商品がいかに素晴しいか、どんなにいいものを取り扱っているか、これを使う事で世の中の人がどれだけ助かるか、自分はそのお手伝いをしたい、と熱く語られていました。

あなたもそういった方にお会いしたことはありませんか?

私がお会いした社長も含め、優れた商品を持っている方はみなさん、商品のことを何よりも誇りに思っていらっしゃいます。

でも、もしあなたがその商品を多くの人に知って欲しい、買って欲しい、と願うのでしたら、商品への愛情は隠して欲しいのです。

今回は、そんな自社の商品が大好きなあなたに気をつけて欲しい事をお伝えしますね。

商品の説明をしてはいけません

「商品の説明をしてはいけない」とはどういうことなのでしょうか?営業の方から怒られそうな意見を冒頭からお伝えしました。

多くの方が勘違いをしているのですが、お客さんに商品の良さや素晴しさを知っててもらために、ひたすら詳細に商品についての話をすれば理解してもらえる、と思っています。
確かに優れた商品は相手に語るだけの魅力があるのでしょうし、何より販売しているあなたに「これはとっても良い商品なんです。あなたもぜひ一度使ってみてもらえれば商品の良さを実感してもらえます。」という思いをきっと持っていますよね。

その気持ちはよくわかります。

でも、ちょっと待ってくださいね。もしあなたが逆の立場だったらどうでしょうか?

例えばあなたが自転車を買いに行ったとしますね。あなたは今まで乗っていた自転車がそろそろ寿命で新しいものが欲しくて、自転車屋さんに行きました。

あなたが欲しい自転車はごくごく普通のいわゆるママチャリです。買い物の際に便利なように大きなカゴが付いて、できるだけ安い自転車が欲しかったとしますね。

ところが自転車屋さんは、カッコイイタイプの自転車を薦めてきます。今はこういうのが流行ですよ。この自転車なら漕ぐ時にスムーズに力が伝わるだけでなく重量も軽いので、女性でも楽ですよ。そういってきます。

たしかにとても軽く、ちょっと前傾姿勢のため漕ぐ時にさほど力が要らずに乗れそうです。しかしそれにはいつもパンツスタイルでなくてはいけません。またお薦めの自転車には大きなカゴはつけられません。何よりも価格がママチャリより随分高いのです。

でも店員さんはカッコイイタイプの自転車の素晴しさを力説しています。あまりの熱の入れように安いママチャリがいいとも言えず、あなたは何も買わないで帰宅しました。

自転車屋さんはここだけではありません。違う自転車屋さんで欲しい物を買えばいいのですから。

自転車ではなくてもあなたはこういった経験をしたことはありませんか?
あなた自身、もしくはこういった状況を見たことはあるのではないでしょうか?

店員さんが熱心に説明したばかりに、せっかく商品を買いに来たお客さんをみすみす逃してしまったのです。

では商品の説明をせずにどうしたらよかったのでしょうか?

商品は売らない

 

商品の説明を絶対してはいけない、と言っているのではありません。お客さんが質問してきた時はしっかりと答えることが必要ですよね。

先ほど例に挙げた自転車屋さんのケースは、お客さんが欲しいと思っている自転車があるにも関わらず、別の商品の説明をしました。

この商品はこんなに素晴しいですよ
この商品はここが優れていますよ
この商品は女性にも人気ですよ
この商品は・・・

です。

でもお客さんはこういうのを求めてはいなかったのです。この時、自転車屋さんがするべきだったのはたった一言

「あなたはどんな自転車を探していますか?」

なのです。

つまり商品の説明ではなくて、お客さんがどんなものを欲しがっているかを聞くことが大切なのです。

お客さんがどんな商品を欲しがっていてどのくらいの予算なのかをまず聞くことが大切なのに、多くの人はまず自分の商品の説明から入ります。

お客さんは自分の希望を言いたくても、あなたが熱心に説明していまうために要望を言えず、黙ってもしくは愛想笑いをして、その場を離れるしか手段がなくなるのです。

あなたがどんなに良い商品を持っていても、そのお客さんはもうあなたのお店に行きたいとは思いませんよね。だってお客さんの欲しい物を用意してくれないのですから。

そしてあなたは大切なお客さんを1人失うのです。

お客さんが欲しい物を聞く

商品を売ってはいけません。
お客さんから聞かれる前に説明してはいけません。

あなたが最初にすることはお客さんが「欲しい」と思っているものを聞くことです。「困っている」ことが何かを聞き出すことなのです。

お客さんは「欲しい」「困っている」から「買いたい」につながるのです。あなたはその時初めて商品を売るのです。

 

今日から商品を売らないで売ってみませんか?

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