少し前ですが、11月11日からファッション通販サイトの大手、
ZOZOTOWNでは一度購入した商品を何らかの理由で返品する場合、
その返品送料までも無料にする、というサービスを開始しました。
そもそもZOZOTOWNではお客様理由による返品、つまり
「イメージに合わない」や「サイズがちょっと…」という
理由でも返品を受付けていました。
なぜ返品を受付けてもお店が営業できるのでしょうか?
あなたは返品をしたことがありますか?
あなたは一度購入した商品を返品したことがありますか?
通販サイトに限らず、実際の店舗でも
商品に欠損や傷などがあった場合でしたら、
多くの人がためらわずに返品されますよね。
しかし、その時は勢いで買ってしまったけれど
やっぱり止めたい、なんて買い物をした場合、
あなたはお店に行って返品のお願いができますか?
正直にいうと、私にはちょっとできません。
返品を受け付けてくれるかどうかわかりませんし、
商品を持ってまたお店に行くのも手間ですし、
店員さんもあまり、いい顔をしないような気がして
お尻が重くなっちゃいますね。
ところが、お店側の方から
「気に入らなかったら遠慮なく返品して下さいね」
と言われたら、どうでしょう。
もし気軽に返品できるのでしたら、気持ちはラクですよね。
購入のハードルを下げる返品送料無料
それと共に「イヤだったら返品できるから、迷ったら買っちゃえ!」
「ついでだから、これも買っちゃえ!」
という気持ちも生まれてきませんか?
この「買っちゃえ!」に目をつけたのが、冒頭に挙げた
ZOZOTOWNなのです。
月額350円の有料サービスなのですが、これにより
「オレンジとイエロー、どちらにしようかな?」
「これもよさそうだけど、あれもよさそう」
なんて商品を見て思った時に、
「じゃあ、とりあえず両方買ってみよう」
という考えにもなりますよね。
特にインターネットですと、色や素材など
目で見て、手で触ってみたい気持ちはありますよね。
そのような人たちに対して、購入のハードルを大きく下げたのが
この返品送料無料のサービスなのです。
大手通販サイトでは返品可能なお店は他にもありますが、
送料はお客様負担、つまり自分で払わなくてはいけません。
ところが、今回の返品送料無料で、送料すら不要ということで
もし、気に入らなかったら返品すれば損はしない
という気持ちにさせることに成功したのです。
お店は送料を負担しても儲かるのか?
でもZOZOTOWNは、返品も送料も可能にして、
儲かるのでしょうか?
実は儲かる理由は2つあります。
1つ目は、先ほども述べた「ついで買い」により売上が
大きくあがることです。
これはなんとなくわかりますよね?
2つ目は、実は返品も返品送料も無料にしても
実際に返品する人の割合が、それほど多くはないのです。
そしてこれがZOZOTOWNに今回の決定をさせた、
最大の理由ではないでしょうか?
返品をするには、心理的な壁だけでなく
実際に箱などに入れて梱包して発想するという物理的な壁もあります。
この手間があるために、返品率がそれほど高くない
というのもあるのかもしれません。
とあるデータでは日本人の返品は1~2割程度だそうです。
この2つの理由でZOZOTOWNは売上を拡大していけるのです。
もちろん、この制度は通販だからできることで
もっといえば大手だからできる仕組みです。
あなたのお店や他のお店で、簡単にできる仕組みではありません。
ですが、ZOZOTOWNがこの仕組みを開始したことで
お客さんの「欲しい」という気持ちを掘り起こしたことは
事実ですよね。
あなたはどんなことでお客さんの「欲しい」を掘り起こしますか?